デッキテク「ばなお」さん(シルサーの殿と姫)「OTKシルフ」

デッキテクとは斬新なアイディアや珍しいデッキを取り上げ、

使用者に解説していただき、その全容を記事として伝えるものである。
会場についた私は「デッキテクを書こう」と決めてはいたものの、
カオス、黒竜、雷帝と固定化された環境から、デッキテクを書くにふさわしい斬新なデッキが生まれるのか不安であった。
(実際にふたを開ければ上位3デッキも工夫にあふれた素晴らしいものばかりであった)


そんななかで注目チームインタビューで耳にした「『ある』プレイヤーのデッキがとんでもない」という情報は渡りに船だった。
そして対戦テーブルで我々が目にした光景がこちらである

~BFO第2回戦つくもVSばなお~

youtu.be


即決である。
前置きが長くなると紹介するデッキに似つかわしくないので記事に移らせていただく。

 

デッキテク

「ばなお」さん(チーム名:シルサーの殿と姫)
OTKシルフ

デッキリスト

(※C・アルべリオンの画像がないためメインデッキ46枚になってしまっております。)

www.izazin.com

 

「OTK」とは「ワンターンキル」のことである。
リストを見ただけではピンとこない人も多いと思うが、
「風と戯れる者 シルフ」を使用したワンターンキルデッキである。
あらゆるドロップゾーンを充実させるエンジンを駆使しながら、
ドロップゾーンに妖精・ワイダーサカーの種類数を稼ぎ
先攻の1ターン目から打点10の「風と戯れる者 シルフ」で殴り掛かる超攻撃的なデッキだ。

「成功率は9割」と豪語するばなおは界隈ではよく知れた「シルフ」使いのプレイヤーだ。
先攻のみのオールインデッキではなく後攻でのプランもしっかりと練られている。

後攻では「風と戯れる者 シルフ」だけではなく「海の支配者ラハブ」や「春風の運びシルフ」
必殺モンスターの「シルフ“妖精の宴”」を絡めた高打点・複数回の攻撃で
先攻1ターン目なみに生存することが難しい攻撃を繰り出すことができる。
また、「ベンジョーはかせ」から「ブレッフェン・ガルド」にも先攻からアクセスが可能で、通常の盾魔法1枚なら、簡単にはじいてしまう。

残念ながら、ここまでのゲームでじゃんけんで先攻をとることはなかったが
かなりの確率でワンターンキルをしてきたようだ。(取材は4ラウンド終了後に行われた)

マッチアップに関してここまで唯一負けたのがドラゴンツヴァイで、
さすがに20点の打点を出すことは難しかったようだ。
逆にカオス・黒竜といったデッキには先攻さえ取れてしまえばまず負けないという相性とのこと。

デッキを使用するに至ったきっかけは勿論「シルフが好きだから」というところがあったが、調整していた竜牙雷帝に自信を持てていなかったところ、
仙台バディフェスタで「ワンキルデンジャー」が準優勝した結果を見て
現環境での1ターンキルデッキに可能性を見出したからだとばなおは語る。
そこからここまでの完成度を誇るデッキをわずか5日間で仕上げしまったというのだから驚きだ。
普段からシルフのことを考えている彼だからこそなしえた芸当だろう。

サイドボードの解説に移ろう。
「大魔法 ヴァイシュタッツ」は雷帝軍のアタックフェイズを終わらせ、
「妖精王オベロン」で環境の外にいるデッキの動きを阻害する。
ロキは先攻でたてられる「暗黒雷竜 ゼム・セヴンス」のソウルを奪い、
「榛樹の獄卒 エールキング」と追加の「ブレッフェン・ガルド」は「沈んだ海底遺跡」を破壊する。
「ブレッフェン・ガルド」は黒竜やカオスの
キーカードとなる魔法「機神、始動」や「ブラック・リチュアル」等を無効化するためにも使用される。

非常に完成度が高く繊細なデッキに見えるが、
回すことは非常に簡単だそうなので、興味を持った方はぜひ試していただきたい。
新たな世界の「フューチャーカード バディファイト」があなたを待っている。

ライター:さむえる